差出人不明の密告手紙が届いたら―個人でできる対処・対策―

密告されたときの対処方法・対策

探偵・弁護士・警察に頼る以前の
個人でできる方法だけ説明させていただきます。

密告された側の基本姿勢

密告をされたら普段通りの生活態度を保つのが基本です。

また、密告対象となった人物との接触数を減らし、
密告犯の興味がうすれるに任せるのもひとつの手です。

以下は探偵を雇う・弁護士に相談するまでもない段階においての対処法です。

資金力があれば、探偵(調査員)を雇って密告犯を特定。
そのあとで、弁護士を介して密告犯に交渉するのもありです。

ただ、そこまでする必要のない事例はとても多いです。

脅迫でもない。営業妨害にもならない。

そこで各種専門家や警察に頼ってもこれといった対応をされないという
ありふれた悩み。そのときのある程度の指針を示させていただきます。

以下は参考例です。
フィクションですが、実例を下敷きにしています。

夫に密告手紙が届いたAさんの例

30代前半のAさんがいました。
Aさんはパートをしていますが、子はなし。
夫とは良好な関係を築いています。

ある日、Aさんの夫のもとに密告手紙が届きました。

中身は Aさんの不倫を伝える手紙です。

消印は都内の某区。Aさんは地方在住であり
Aさん夫婦の知り合いも住んでいない区です。

また、手紙にはAさんの不倫相手の男性の氏名・勤め先・容姿・年齢が記されていました。

Aさんの夫は密告情報をもとに詰め寄ります。
「ほんとうに不倫をしているのか?」と。
※この旦那さまの行為はまごうことなき悪手ですので真似しないでください。

もちろん、Aさんにはまったく身に覚えがありません。
B男という氏名の人物も知りません。

ただ、心当たりはあります。

手紙に記されていた B男の勤め先は某洋食店。

その洋食店は、Aさんがときどき利用するお店です。
そして、ママ友ともよく利用している場所でもあります。

おもいかえせば、その洋食店にはイケメンの男性店員がいたなぁ。
容姿も年齢もあてはまる人物はそのお店にその男性店員ひとりだけ。

でも、これといった接点はありません。

あくまでも、お客として会話する程度。

店外で会う機会もなく、会った事実もありません。

後日、Aさんは例の男性店員についてお店に問い合わせます。

するとAさんの思った通り男性店員の氏名・年齢・容姿が
密告手紙の内容と一致。

Aさんにはまったくもって心当たりがない。

男性店員とは談笑した程度しかなく、接点は店内だけ。

夫と相談してもどうしてよいかわからず困ってしまいました。

以上のAさんの例は「ほとんど接点のない人物との不倫を密告された」
パターンですね。

Aさんはまったく事実とは異なる情報。
虚偽の情報を配偶者に密告されたわけです。
※以下、虚偽密告と称します。

ただ、密告犯からすれば Aさんと男性店員との不倫は真実だと
疑っておらず、正義の密告だとおもいこんでいる可能性もあります。

虚偽密告型の密告理由

Aさんの事例において、密告犯が密告に至った理由は以下の4つ。
※一部重複しているのですがイメージしやすいようにわけています。

  1. 誰かと間違っている(密告対象の誤まり)
  2. 密告対象が不倫をしていると思い込んでいる(事実の誤認)
  3. けん制のため
  4. 工作の一貫に巻き込まれた(工作の巻き添え)

1.密告対象の誤り

1はわかりやすいですね。
密告犯は Aさんを誰か(人物X)とおもい違いをしている。
勘違いしたままAさんを密告してしまったパターン。

密告犯は探偵に依頼をせず、自己調査にとどめた。
そして、見当違いの結果を得てしまったのかもしれません。

2.事実の誤認

2は Aさんが不倫をしていると密告犯が思い込んでしまったパターン。
これは危険なタイプです。思い込みが激しいので、放っておくと密告の手紙、
密告電話が継続する恐れがあります。

3.けん制のため

Aさんが、該当の男性店員と接触するのを快く思わない人物が
密告手紙を差し出したパターン。

目的は Aさんをけん制するため。

密告犯としては、Aさんと男性店員を引き離せれば
成果としては十分と考えているのでしょう。

4.工作の巻き添え

工作の一貫に巻き込まれた可能性だってあります。
密告することが目的ではなく、密告によってAさん夫婦が
取り乱す・密告犯人の調査に乗り出すなどの行動を
起こさせるのが目的です。

手紙の差出人(密告犯)が黒幕ではないパターンも4に含まれます。

密告犯が黒幕に「誘導」されて、Aさんを密告するに至った可能性も
あるというわけですね。

なお、密告理由が工作の一貫である場合、
密告犯の本当の目的を特定するのはとても困難です。

では、Aさんはどうすればいいのか?
個人できる対処方法はないのか?

その方法を以下に記します。

「いつもと違う」に注目

密告電話・密告手紙が届いたあと、
ほぼ必ずなんらかの変化が生じるはず。

密告相手(Aさんの夫)、または密告対象(Aさん)の
周囲に「いつもと行動」をする人物があらわれるでしょう。

いつもは話しかけてこないのに、会話をしようとする同僚。
いつも残業をしていたのに、自分とおなじ時間帯に退社する後輩。
おすそ分けを頻繁にするようになったご近所さん。
急によそよそしくなった妻と共通の友人。
急に連絡をしてきた地元の同級生。
など。

密告犯は自分の密告の効果があるかどうか、
密告の内容が正確に伝わっているかどうかを
確かめたい気持ちに駆られます。
なので、いろいろな手段でつい探ってしまうのです。

だから密告業者は依頼者(密告犯)に「普段通りにしてくださいね」と
くぎを刺します。
また、不安になっている依頼人の相談相手になって
下手な行動をしないように落ち着かせています。

密告された側は普段通りの生活を送っているだけで大丈夫です。
それだけで変化を捉えられますから。

変化が見られるのは「相手方」か「自分方」かは
わかりません。

ただ、密告された側は密告犯側からほぼマークされているので、
積極的に動かないのが無難です。

自分から密告犯を探ろうとしてはいけません。

まず、相手に気取られます。

対象との接触回数を減らす

浮気・不倫の密告事例の場合においては、
対象との接触回数を減らすと事態が好転・解決する例は
珍しくありません。

当記事で指す「対象」とは、
密告の原因となっている人物と捉えてください。

今回で言えば、洋食店の男性店員ですね。

Aさんは男性店員が務める洋食店に行く、頻度をおさえる。
男性店員が勤務していない日を狙って洋食店を利用する。
または、洋食店を利用しない、などの対策がとれます。

密告犯を刺激しないためですね。

密告犯だってAさん夫婦の行動を毎日監視していられませんし、
感情を一定に保つことはむずかしい。

そのうち「飽きる」でしょう。

ただし、あまりにも密告犯の要求どおりに動くと、
要求が過激になることもありえますのでどの線まで
容認するかの見極めが大事になります。

なにより、Aさんの夫が探偵を雇いAさんを調査しているかもしれません。

ですので、Aさんは身の潔白を証明する意味でも、洋食店を利用しないという
決断をするのはありです。

炙り出しは不要

自身、または配偶者や恋人が密告されたとき、
密告犯探しに躍起になる方がおられます。

ですが、ほとんどが上手くいきません。
そこで「炙り出し」を実行してしまうと危険です。

やめておきましょう。

炙り出しについては記事「密告をされてしまった人がする『炙り出し』とは?」をご参照ください。

注意
注意していただきたい点さまざまな密告事例がありますが、参考としてひとつだけを例にあげています。
すべてにおいて以上の対処方法が通用するとは限りませんのでご注意ください。

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