密告者の手口―わかっていても避けられない。密告で効く「言葉」とは?―

密告においても効果的な文章・言葉とそうではないものがあります。

そのなかでも有効的なのは「相手に疑念を抱かせる言葉」です。

この言葉は不倫や浮気の密告だけではなく、その他の密告についても有効です。

今回はその言葉―疑念を抱かせる方法―をご紹介します。

それは「~に思い当たる点はないでしょうか?」です。

密告で相手方を不和におとしいれる方法

小石でも水面になげると波紋がひろがります。
薄く、小さな波であっても確かにどこかに作用します。

密告をする人物の狙いのひとつははそれです。

いわば離間の計のひとつとも言えるでしょう。

以下に、わかりやすいように「架空」の物語にたとえて解説いたします。

視点は密告者側(A子)であり、
そして、悪意を持っている設定です。

A子は30代の独身女性。
普通の会社員生活を送っていました。

しかし、気にくわない人物がひとり存在したのです。

それは同じ社内にいるB男。
40代男性です。

B男はA子と交際していました。

当時はA子は新入社員。

若くて美人であり、右も左も分からない時期です。

そこで社内においてエース格だったB男が手をつけた、

しかし、B男はそうそうにA子に飽きると、
別の課の女性に手をだしていきます。

周囲もなかばB男については諦めているのか、
誰もとがめません。

仕事においては優秀であったためです。

まぁ、よくある話です。

ですが、やりたい放題のB男もさすがに年を取った。

昔のようにプレイボーイを気取るのもやめ、
結婚をして身持ちを固くしたのですね。

でも、A子はひそかにB男を憎んでいた。
関係は諦めたものの、感情面ではおさえきれない。

なにによりも憎いのは幸せそうに妻子の話をするB男の顔。

B男と顔をみるたびに苛立ちがつのっていく。

そこで、B男夫妻をおとしめようと決意した。

A子はB男が不倫をしているとでっちあげたのです。

復讐です。

復讐方法はB男の妻に「B男が不倫している」との匿名の手紙を差し出すこと。

密告の手紙ですね。A子からみたら些細な復讐です。

ただ、B男は結婚してからといもの、女性遊びは一切していません。

B男の妻は信じないでしょう。

でも、B男の妻は密告の手紙を最終的には信じてしまい、
B男との仲も険悪になってしまった。

どうしてか?

当初、B男の妻は密告手紙の内容は一切信じていませんでした。

B男は独身の頃、女性遊びが激しかった話はうわさでそれとなく
耳に入ってきています。

B男が捨てた女のやっかみだと見抜いていたのです。

でも、この密告文章のなかに書かれたこの一文が心にひっかかっていました。

「なにか、最近のB男さまの行動に不審な点は見受けられませんでしたでしょうか?」

B男の妻に、そんな覚えはありません。

B男は飲みに行くときは必ず連絡します。
休日もほとんど家族と一緒です。

なんの不審な点は見られないためです。

A子が書いた密告の手紙は嘘だらけ。

しかし、B男の妻は密告手紙を受け取って以来、
B男(夫)を見る目がすこしだけ変わってしまいました。

以前であれば、気にも留めないB男の行動があやしげに
見えてきます。

なにもかも。

A子はB男の妻に、B男に対する疑念を一粒だけ植え付けることに成功しました。

疑念を受け付ける

なんの浮気・不倫の証拠がない。
けれど相手を貶めたい。
そのようなときにも使われる手です。

密告手紙だけではなく、密告電話においても
以下のように伝えられると受け手は疑念を抱いてしまいます。

「xxさま(夫)の不倫についてなにか思い当たるふしはありませんでしょうか?」

「この件についてなにか心当たりはりませんか?」

普段から恋人・配偶者を疑っている人物であれば、
過去の出来事を無理やりにでも浮気・不倫に結び付けてしまうかもしれません。

「ああ、そういえば夫はxの日にxxxをしていたような?」

それでも記すのは、現状をもう一度見つめ直すように
密告の受け手に伝えるためです。

配偶者・恋人の不倫や浮気をまったく知らない相手に
現状を理解させるのは困難ですから。

ですが、例のように悪用もできてしまいます。

密告手紙は一方的です。

質問をしても返答は得られません。

なのに手紙にこの一文を記す理由。

それは効果的だからです。

悪用の面においても。

相手方(密告相手・密告対象)の動揺を誘い、うかつな行動をさせるのが狙いです。

その影響により、恋人同士・夫婦間・家庭内不和が生じれば
密告者の思うつぼ。

伝えているのはただの言葉。
手紙においてはたった一文。
密告電話においてはたった一言。

ですが、その裏では猜疑心という毒を盛っているのです。

猜疑心は誰でも持っています。

愛し合っている恋人・長い連れ添いの夫婦間でも免れません。

悪意を持った密告者は、その猜疑心を肥大化させて
自分に都合の良い展開にしようと目論見ます。

即効性はありません。

しかし、ジワジワと長く、効いてくるのです。
気付いたときには治療ができない状態。

古(いにしえ)の兵法に言う「離間の計」(反間計)です。

「そんなはずはない!」と、おもって一笑に付しても
その疑いを完全に払しょくするのは難しい。
ほぼ不可能でしょう。

罠だと理解をしていても、ドツボにはまってしまう。

なぜなら人間には感情があるためです。

なお、以上の方法は悪意を持った密告者以外も使用する点をご留意ください。

あなたを心配した人物が善意で密告した場合においても
つかわれる可能性があるのです。

補足説明

今回は密告する側に有益な情報を記載しています。

十分に悪用できるでしょう。
それでも今回とりあげたのは、対策のためです。

密告する側の手口を知っておけば、心を過剰に乱される心配はありません。
密告は心理戦です。知る、知らないのでは大きな差が生じるためです。

見えない相手は確かに怖いです。

しかし、弱いからこそ隠れているのです。
だからこそ、その弱さをあばく意味合いも込めて当記事を書かせていただきました。

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